隣り合うアレリア王国との紛争が続いているエーデルシュタイン王国。
自らの出自を知らない孤児の青年フリードリヒは、幼い頃から非凡な聡明さを持て余し、平凡な人生にどこか物足りなさを感じながらも、田舎の町で穏やかに暮らしていた。
ある日、町はずれに盗賊団が出没し、制圧に向かった討伐隊が壊滅。
絶望的な状況に戸惑う民衆だったが、フリードリヒだけは様子が違い——?
「僕は英雄マティアス・ホーゼンフェルト伯爵の息子だ」
「大丈夫、僕の考えた作戦通りに動けば必ず勝てる」
こうして自らを英雄の隠し子であると偽り、巧みな話術で民衆を奮起させて見事盗賊団を撃退!
一件落着するも、英雄の息子を騙った罪人として捕らえられてしまう。
重罰は避けられないかと思われたが、なんとマティアス本人からその才能を見出され、王国軍の騎士として国に貢献するよう命じられて——?
これは、何者でもなかった青年が、歴史に名を刻む偉大な英雄となる物語。