世界最大の情報機関『大図書館』には『死書』を使う『史書記』がいる。彼らの使命は、無作為に人に憑りつき、過去の事件を再現する『死書』の回収任務。
若き史書記レイン・ジークは、正式に認可を受ける儀式『神授式』に参列するため、シュレイの街を訪れていた。街に集った史書記は、レインを含め七人。そこで七人が所持する死書に浮かび上がったのは、史書記を標的とした連続殺人予告だった。第一の殺人が起きたのち、真っ先に容疑者となったのはレインで……?
これは死書の再現か、意志のある殺人か。第3回オーバーラップ文庫大賞・特別賞受賞。端倪すべからざるファンタジー。