2022年春に「オーバーラップ文庫」は創刊10年目、「オーバーラップノベルス」は創刊8年目を迎えました。 さらに、女性読者のためのレーベル「オーバーラップノベルスf」は創刊から2周年となります。 そして今回、この人気3レーベルと小説投稿サイト「小説家になろう」の共同企画「第8回オーバーラップWEB小説大賞」を実施します。 引き続き「随時刊行システム」を採用。応募期間中に常時選考を行い、受賞作品が決定次第、順次刊行を行います。
受賞作品は「オーバーラップ文庫」、「オーバーラップノベルス」、「オーバーラップノベルスf」のいずれかから刊行予定
応募期間中は常時選考を行い、順次刊行します。各応募期間終了後に、奨励賞受賞作品の中から、大賞作品ならびに各賞を選定して発表します。
サラリーマンが異世界に転生して格闘や魔法を極めながら一から成長していく物語。
主人公アルドの地道に見えて、突飛な努力の仕方が今までにないやりこみ方で非常に面白かったです。
アルドの双子の兄弟・エルや、幼馴染のアシェラたちと共に育っていく過程が読んでいてほっこりした印象を受けました。
かと思えば、すぐに戦闘力や魔法はチート級の実力者になっていてと――全く飽きさせない作品でした。
広大な宇宙を舞台にして、傭兵業を生業とするウーゾスが活躍するスペースオペラ作品。
「活躍」といってもウーゾスは「目立たず・控えめに・身の程を弁える」をモットーにしており、迫りくる(いわゆる)フラグはひらすらにスルー。あくまでモブに徹します。
しかしながら、彼にちょっかいをかけてくるイキリ君たちは勝手に自滅……!
「今回ウーゾスはどんな厄介ごとに巻き込まれ、いかにそれを回避し、その結果周囲はどうなるのか」が毎度気になって仕方ありませんでした。
ほかにも日常シーンの細やかな描写のおかげですんなりと作品世界に入り込み、気づけば最新話まで読んでいた、ということもあります。
この作品をぜひイラストと併せて読んでみたい。そう思わせてくれる完成度の高い作品でした。
ジャンル内で高い人気を誇る、アイドルがクラスメイトでヒロインなラブコメ作品。
そして本作はキャラ・物語・展開すべてがはっちゃけており、読めば思わず笑顔になれる「パワー!」が満載です。
ヒロインの雪菜とアリサ。アイドルでもある2人のかわいらしさはもちろんのこと、「絶対働きたくない」が信条の主人公・和真についても要注目。
読み進めると「クズだな……!」「クズ……か?」「ク……か、かっこいい!?」と彼に対する印象が大きく変わっていきます。
ほかにも、転入生でお嬢様な麗華や、彼女お付きのメイドである姫野といったひと癖もふた癖もある女の子たちも魅力的。
非常にキャラが強いゆえに物語に奥行きが感じられ、もっと作品を読んでいたいと思わせてくれます。
ラブコメ好きな方々に、ぜひ読んでほしい一作です。
伝説の英雄として語り継がれる最強の【剣聖】(♂)が、美少女メイド(♀)に転生し【可愛くて最強なメイドさん】として第二の人生を送る本作。
前世で【剣聖】として日々戦いに明け暮れていた主人公は「今世では剣なんて忘れてのんびり暮らそう!」と決意するのですが、【剣聖】を目指す貴族令嬢の専属メイドになったこときっかけに再び剣に関わることになってしまいます。
主人公はあくまでも「【剣聖】を目指す令嬢のメイド」なので目立たたないよう実力を隠そうとしますが、闇組織のボスを倒してしまったり、英雄と呼ばれるほどの剣の実力者にほうき1本で挑み勝利したりとだんだん注目されていく様子が大変痛快でした。
外見は超絶美少女でありながら男気のあるかっこいい内面をしている主人公は男子のみならず女子にもモテモテで、アプローチしてくるキャラたちやその様子に嫉妬している貴族令嬢が可愛らしかったです。
また、主人公がとんでもない数の魔法適性を持っていることが判明、その魔法適性のルーツーー父親の正体は誰なのか等、気になる点が次々に出てくる話の展開も秀逸でした。
魅力的なキャラクターと世界観・設定が光っている作品でした。
この度は、「第8回オーバーラップWEB小説大賞・後期」へのたくさんのご応募、誠にありがとうございました。 後期締切時点で約5000作品ものご応募をいただきました。今回も多種多様な作品が多く寄せられ、編集部一同、楽しく拝読しました。 選考の結果、ばうお氏の『(仮)アルドの異世界転生』を金賞に選出しました。 『(仮)アルドの異世界転生』では、転生した主人公アルドによる、周囲を巻き込みながらも着実にステップアップしていく様子が心地よく、爽快感溢れる作品でした。 銀賞には、土竜氏の『キモオタモブ傭兵は、身の程を弁(わきま)える』、くろねこどらごん氏の『幼馴染たちが人気アイドルになった~甘々な彼女たちは俺に貢いでくれている~』、三日月猫氏の『最強の剣聖、美少女メイドに転生し箒で無双する』を選出しました。 どの作品もキャラクターが強烈な個性を備えており、そのキャラクター達が活躍できる場を巧みに設定していました。 後期では金賞1作、銀賞3作が選出となりました。 受賞作品は順次刊行されていきます。楽しみにお待ちください。 そして、次のオーバーラップWEB小説大賞の開催も検討中です。 新たな才能と出会えることを、編集部一同楽しみにしております。
生贄だった少女が真の幸福を見つけるシンデレラストーリーである本作。
生まれた時から「生贄」として扱われてきた少女・リーディアは、それ以外の生き方を知りません。そのため、生贄としての役割を果たすことをポジティブにとらえています。
そして、「生贄」として扱われたいと迫ってくるリーディアに戸惑いつつ、彼女を「花嫁」として迎え入れるのは、かつて国が盟約を交わした影の王の子孫・ルイ。
生贄vs花嫁としての二人の攻防は読んでいてとても微笑ましく、楽しく読み進めることができました。
それからルイとの出会いをきっかけに、それまでの生贄としての人生では一度も触れたことのなかった温かな感情を得ていくリーディア。やがて彼女がひとつの「願い」を口にしたとき、「生贄姫の幸福」というタイトルの意味がそれまでとはがらりと変わる構成に舌を巻かずにはいられませんでした。
繊細で美しい心情描写とともに彩られる、切なくも優しい物語。読み終えたあともずっと心に大切にしまっていたくなる作品です。
最弱のE級ダンジョン攻略者である主人公・天地灰が最強の攻略者へと成り上がっていく過程をじっくりと描いた成長譚である本作。
灰は病気の妹のために、新たに発見された前人未踏のキューブに挑むのですが、そこで数々の試練を受け、「神の眼」というスキルを手に入れることになります。
この試練中にみせた灰の自己犠牲ともいえる優しさには思わず涙を誘われました。
「神の眼」のレベルを上げることで妹の病気の治療法を見ることが出来ると気付いた灰は、
妹のために次々とダンジョン攻略を進めていき、着実にレベルアップしていきます。
能力面だけでなく、周囲の人と関わるうちに精神面でも逞しい成長を見せるのですが、その成長過程を丁寧に描き読者に伝える構成が見事でした。
物語の枠組みをしっかりと整えた上で執筆されたことが伝わってくる重みのある作品です。
「神の眼」がなぜ灰に与えられたのか、敵は何者なのか……まだまだ作中で明かされていないことも多く、その伏線が要所要所に張られている点も秀逸で、どんどん続きを読み進めたくなる、何度でも繰り返し読みたくなる――そんな作品でした。
エリート街道からドロップアウトし、たどり着いたのは剣と魔法の異世界でした――。
ヴァイオリンが得意な主人公・藤堂真澄が慰問演奏のバイト帰りに異世界転移する場面から始まる本作。
死んであの世にいると思う真澄と、彼女を拾った異世界の住人とのすれ違いが軽妙に描かれており、序盤から楽しく読み進めることができました。
また、真澄が落ちた異世界はヴァイオリンの音色で魔力が回復すると発覚。さらには拾われた相手が楽士と魔力不足に悩まされている不遇な騎士団……とすれ違う話とは反対に、嚙み合う境遇という展開には引き込まれました。
異世界でもハードモードという、ともすれば重く感じそうな世界観・設定も、信念をもったキャラクターやそれを活かすストーリーで魅力的に昇華できていた印象です。
そして、作中に出てくる音楽と一緒に楽しむとより作品世界の広がりを感じられ、何度も読み返したくなる、そんな作品でした。
ジャンルとして確立されつつある、人気アイドルなクラスメイトとのラブコメ作品である本作。
本作はヒロインである桜咲菜子の『ちょっとだけウザい・けれど可愛い』キャラクター性が何よりの魅力でした。
菜子と、主人公である閑原航の「暇つぶし」と称したほぼデートの様子はとても微笑ましく、いつまでも見ていたいと思わされます。
その一方で、航の幼馴染みである七海沢詩乃や、ご当地アイドルとして活動する恋川美優といったキャラクターの配置も非常に良く、関係性の奥行きにもワクワクします。
魅力的なキャラクター達によるキュンとくるラブコメ作品でした。
「強すぎるから」という理不尽な理由でパーティメンバーから不意打ちを受け、殺されてしまったルーク。
しかしその加護によって甦ったルークは正体を隠し、用心棒「ルーゴ」として辺境の田舎で暮らすことになります。
「ざまぁ展開」や「正体隠し」などの要素が非常にいい塩梅で散りばめられており、さらに手に汗握るバトル展開もあるため、読んでいて飽きることがありません。
また登場人物たちはみながみな温かみがあり、その掛け合いについつい笑みがこぼれてしまうこともありました。
一体全体過去の因縁がこの先の未来にどんな展開をもたらすのか――。
良い意味で予想を裏切り、期待には沿うとともにいつしか上へ行ってくれる本作だからこそ、早く先が読みたい!と思えてなりません。
この度は、「第8回オーバーラップWEB小説大賞・前期」へのたくさんのご応募、誠にありがとうございました。 前期締切時点で計3635作品ものご応募をいただきました。今回も多種多様な作品が多く寄せられ、編集部一同、楽しく拝読しました。 選考の結果、雨咲はな氏の『生贄姫の幸福』、KAZU氏の『灰の世界は『神の眼』で彩づく』を金賞に選出しました。 『生贄姫の幸福』では、たおやかな心情描写を軸に、優れた筆致でシンデレラストーリーを演出した作品でした。『灰の世界は『神の眼』で彩づく』は、最弱の冒険者が最強の攻略者へ成り上がる過程を描いた爽快感が突き抜けており、今回の選出となりました。 銀賞には、東吉乃氏の『ドロップアウトからの再就職先は、完全無欠のブラックでした』、星野星野氏の『現役JKアイドルさんは暇人の俺に興味があるらしい。』、ラストシンデレラ氏の『お前は強過ぎたと言われて仲間に裏切られた『元Sランク冒険者』の村人は、田舎でゆっくりスローライフを送りたい』を選出しました。 王道のジャンル・世界観に作品それぞれのエッセンスが加わり、登場するキャラクター達が生き生きと躍動していました。 前期では金賞2作、銀賞3作が選出となりました。 受賞作品は順次刊行されていきます。楽しみにお待ちください。 後期の応募締切は12月31日となっております。 どんな作品との出会いが待っているか、編集部一同期待しています。 ふるってのご応募、お待ちしております!
「小説家になろう」に投稿している作品(完結・未完は不問)に下記のキーワードを設定すれば応募完了!
日本語で書かれているオリジナル作品で、応募締切時点までに本文が5万文字以上であること
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