高校生の一条太朗は、未来の宇宙船の中で孤独に目を覚ました。そこで妙に俗的なAIの小梅と出会い、BISHOPという電脳プログラム技術を身に着ける。さらに機械工学に長けた少女マールに出会い、太朗には《ギフト》と呼ばれる特異な能力があることが判明する。
三人でコープ(会社組織)を立ち上げた太朗は地球を目指すことに。コープが発展を続ける一方で、太朗が乗る宇宙船はワインドと呼ばれる知的機械生命体に襲われてしまう。
切り抜ける鍵は、レーザー武器が主流の時代では「アンティーク」と呼ばれる実弾兵器!?
WEB上で人気を呼ぶ新境地のスペースオペラ、ここに開幕!
◎一条太朗(いちじょう・たろう)
21世紀の高校生だったはずだが、ある日突然宇宙船の中で孤独に目覚めた冷凍睡眠者(アイスマン)。冷凍睡眠に入る前までの記憶が曖昧になっている。
おとなの玩具運送会社社長となる。でもなぜか武装艦。
小梅、マールらと共に存在しているはずの地球を目指す。
《ギフト》は、情報を同時に処理することに異常に長けている『並列処理(マルチタスキング)』
帝国海軍士官教育のオーバーライドを小梅に行ってもらったことで、艦隊の運用にも非常に長ける。
◎小梅(こうめ)
太朗が乗っていた宇宙船で出会った、非常に高度な人工知能(AI)。
出会ったときは球体だったため、梅に似ていることから太朗に「小梅」と名付けられた。
ニューラルネットワークを駆使して太朗の目的をサポートするが、だいぶウィット(毒舌)にとんだ性格でたびたびその知識の出どころを疑われる。
◎マール
ゴーストシップで漂流していた太朗を偶然救い出した、サルベージを生業とするメカニックの少女。
男勝りの勝気で負けず嫌いだが、比較的常識人。ただし金にがめつく、太朗たちのコープ『ライジングサン』の財務大臣となる。また、家族は無く、友達は少ない。そして処女。
《ギフト》は機体のメンテナンスなどに異常に長けている機械工学制御。
■銀河帝国 | 5000年以上続くとされる、統一銀河帝国。ただし発生付近の歴史は失われており、また、人々もあまり興味を持っていない。軍を中心とした放任主義の政府であり、国民にはその権利として自由が与えられている。警察すら存在しない。 |
■企業(コープ) | 銀河帝国を構成する、最も重要な単位。株式会社から有限会社まで様々。与えられた自由の中で社会や経済を構築し、社会を形作っている。帝国の言う自由の中には戦争を行う権利すらもあり、多くの企業は自衛の為に戦闘艦を所有している。 |
■ユニオン | 企業連合。戦闘艦を持たない企業が戦争から身を守る為だったり、より緊密な商売を行う為に手を取り合ったりする、企業同士の連合集団。 |
■宇宙ステーション | 人々の生活の場。人類のほとんどは惑星上では無く、宇宙ステーションで暮らしている。数万人規模の小さな物から、数千万人が居住するような物まで。基本的に生活システムと宇宙船用の桟橋がついた建造物は全てステーションと呼ばれる。大抵のステーションは、企業が管理している。 |
■BISHOP(ビショップ) | Brain's Impulse Sequence of High Output Programmingの略語。脳の一部を使用し、電脳プログラミングを管理・実行する技術。銀河帝国の生活ではこれが標準化されており、ドアひとつ開けるにもこれを用いる。 |
■オーバーライド | 脳へ直接データを上書きする技術。通常はBISHOPを獲得させる為に、赤子の時点で行われる。どの記憶が上書きされるのかが不明な為、通常は乳幼児以外には使用されない。 |
■ギフト | BISHOPの構築速度が、明らかに標準を超えている人々の持つ能力。大抵の場合、特定のジャンルに限定される。 |
■AI | 人工知能。アンドロイドやロボット等に搭載され、人類の生活を支えている。ある程度複雑な思考や対応を行う事は可能だが、物事を発想したりといった知性は無い。 |
■WIND | Wild Instructure Nude Drones。自己繁殖能力を持たせたAIが、宇宙環境で野生化してしまった物。自己を強化、増幅、改善、複製する為にあらゆる手段を利用する。知的機械生命体として、人類と敵対している。組織立って行動したりはしない。 |
■ギガンテック社 | 銀河帝国における最大の企業。20億の社員を持ち、帝国のあらゆる場所で企業活動を行っている。大元は製造業だが、今ではありとあらゆる分野に影響力を持っている。対抗出来る勢力は帝国軍くらいの物だが、両者は緊密な関係にある。 |
■地球 | 謎の惑星。少なくとも銀河帝国の人々は、その存在を知らない。 |
■人類単一惑星発生説 | 各人類型種族が、全て単一の惑星から発生したとする説。あまりに突拍子も無い学説な為、学会はまともに取り合っていない。宗教扱いされている面すらも。 |