底辺領主の勘違い英雄譚 ~平民に優しくしてたら、いつの間にか国と戦争になっていた件~

「(叛逆されないために)領民に媚びへつらうかぁ!」

著:馬路まんじ イラスト:ファルまろ

第1巻4月25日発売

何なんだこれは!?乙一、動揺!

馬路まんじ先生の作品はいつも天元突破している。この界隈における極北の存在であり、どの作品を読んでも馬路まんじ先生だとわかるほど特徴的である。圧倒的な熱量で、圧倒的にアンモラルで、圧倒的に頭がおかしいのだ。正常と異常の境目が崩壊し、善悪の彼岸へと連れて行ってくれる。唯一無二の作風にして究極の存在。この小説は馬路まんじ先生の入門書として最適である。

乙一(作家)

ストーリー|あらすじ

犯罪者や異教徒が跋扈する荒廃した最悪の土地・ベイバロン領。若くして家督を継いで領主となったリゼは、凶悪な領民に殺されないため、一つの決断を下す。それは――領民に媚びへつらうこと!
“王族や貴族にのみ与えられた神の力”とされる魔法を領民のために使いまくれば、幸せな暮らしを手に入れられる!
……はずが、いつの間にか領民に「国家への反逆者」だと祭り上げられ――!?
「「「さぁリゼ様、邪悪なる国王を討ち取りましょう!」」」
「(どうしてこうなった!?)」
浅慮さで右に出るものはいない、考えなし領主による最悪の領地運営譚、開幕!

キャラクター

  • リゼ・ベイバロン

    リゼ・ベイバロン

    男爵であり、犯罪者の集まる最悪の領地・『ベイバロン領』の新領主。
    クールながらも、常に民衆のために行動している慈愛の人。
    ――というのは端から見た評価で、その実態は俗物で浅慮。ナメクジのほうが思慮深い。ナルシスト気味で調子に乗りやすく、倫理観に欠けている。

  • アリシア

    アリシア

    明るく優しく、礼儀正しいシスター。
    ただし、倫理観に欠けている。
    “魔法は民衆のためにある”という教義を掲げる国境『ソフィア教』に、真っ向から反する教義を掲げる『デミウルゴス教』の指導者。
    夢はリゼの子を産むことと宗教革命。

  • イリーナ

    イリーナ

    食いしん坊で快活で元気な獣人。
    ただし、倫理観に欠けている。
    獣人国のお姫様だったものの、数年前に人間の国に滅ぼされ、生き残った同胞を率いてベイバロン領に流れ着いたという過去を持つ。

キーワード

  • グノーシア王国
    リゼが治めるベイバロン領をはじめとする、広大な土地を国土とする王国。国教はソフィア教であるが、選民的な教義であるため、貴族と平民の仲は最悪。
  • ソフィア教
    グノーシア王国の国教。“魔法は王族・貴族のみに与えられた神の力である。平民を躾けるために使うものであり、生活をよくしてやるために使うなど言語道断”という選民的な教義を掲げている。
  • 魔法
    「火属性魔法」「水属性魔法」「土属性魔法」「風属性魔法」などがある。「回復魔法」も存在するが、これは魔法使いならおおよそ誰でも扱うことが可能。ゆえに回復魔法しか扱うことのできないリゼは、魔法使いとしては下の下(だと思い込んでいる)。