~辺境から始める文明再生記~

フシノカミ

凶暴な人狼に

永劫の眠りを

著:雨川水海 イラスト:大熊まい

第6巻1月25日発売

ストーリー|あらすじ

前世らしき記憶を持つ、辺境の寒村に暮らす少年アッシュ。 豊かな生活の記憶を持つアッシュにとって、 内燃機関すら存在しない中世暗黒時代並みの今世の生活は耐え難いものだった。 記憶にあるような理想の暮らしを送るためには、 現状の最上級ではまったく足りない、今ここに存在しない最低限が必要だった。 アッシュが目指すのは、整備された上下水道や衛生的な住居、 馬より速い移動手段で世界を繋いだという文明の再生! そのためには、遙か昔に発達していたという、古代文明の知識が記された本を読む必要があった。 識字の教育機関を兼ねる教会すら形骸化しつつある中で、アッシュは文字を覚えて本を読み、知識を得る。 さらには、村長家の令嬢マイカをはじめとした、周囲の人々からの協力を得ながら、 手始めに自らの住む村で養蜂業の再興を行い、村の発展を目指していく――! 理想の暮らしを手にするため、世界に変革をもたらす少年の軌跡を紡いだ文明復旧譚、開幕!

キャラクター

  • アッシュ

    アッシュ

    前世らしき記憶を持った少年。 会話する時は笑顔を絶やさず態度も丁寧なので、一見、人畜無害に思える。 しかし、胸の内に秘めた熱量は相当なもので、とある出来事をキッカケに文明復旧へ向けて行動を開始する。

  • マイカ

    マイカ

    ノスキュラ村の村長家の一人娘。 明るく朗らかで、素直な性格の少女。管理や整理など数学的思考が得意な文官肌だが、最も得意とするのは武芸である。

  • アーサー

    アーサー

    領都イツツの領主代行・イツキの弟を称する、男装の少女。責任感が強く、真面目な性格。とある事情により、サキュラ辺境伯家に身を寄せている。

  • ユイカ

    ユイカ

    辺境伯家の領主一家の生まれで、マイカの母親。 為政者・経営者としての教育を受けており、また、人間関係の機微を読むことに長けている。 ただ、そこにある資源の有効活用を得意とする彼女にとって、寒村であるノスキュラ村では、その能力も空転しがちだった。

  • フォルケ

    フォルケ

    王都出身の神官。 研究活動自体が社会的にあまり重要視されないこともあり、農村へ送られる。 アッシュと出会う前は、亡者神官と呼ばれるほどやる気を喪失しており、かつ不摂生な生活を送っていた。

  • フィルターニャ

    フィルターニャ

    養蜂家の一族の末裔。 ただし、その技術は代を重ねるごとに失われており、一農家としてやっていこうと考えるようになる。

キーワード

  • 領都イツツ

    サキュラ辺境伯領の領都で、丘陵に位置する。 脅威に備えて周囲を石壁で囲んでおり、防衛兵器として弩砲が配備されている。 都市内部の神殿は、ノスキュラ村とは比較にならないほどの蔵書を有する。

  • ノスキュラ村

    アッシュたちが暮らすド田舎の寒村。農耕トラクターどころか、農耕馬や農耕牛すらおらず、化学肥料も存在しない。

  • 前期古代文明/後期古代文明

    二千年前/千年前に滅んだ過去の文明。ただし、文明の技術や知識は、本や伝承によって現代にも伝わっている。しかし、伝えられているのはあくまでも一部であり、多くの歴史や知識は失われ、あるいは歪んだ形で伝わっている。