【Q1】キックオフ賞金賞受賞おめでとうございます。今感じていらっしゃる率直なお気持ちを教えていただけますでしょうか。
ありがとうございます。これから多くの方々に読んで頂けるのかと思うと緊張し、身が引き締まる思いです。刊行にあたりご尽力くださった皆様への感謝を忘れず、少しずつでも恩返しできるよう頑張っていきたいです。
【Q2】作品を執筆するにあたり苦労されたことなどはありますでしょうか。
現代社会にダンジョンがあるという設定の、リアリティの線引きに頭を悩ませました。担当編集者さんのご助力、アドバイスもあり最終的にはわかりやすく、おもしろくなるような世界観に落とし込めたのではないかなと思います。
【Q3】発売に向けて編集を進めるにあたり、何か記憶に残っているエピソードなどありましたら教えてください。
桑島さんにイラストをご担当頂くことが決まった後、キャラクターの容姿や格好をお伝えするため自作のラフ画を担当編集者さんのところに持って行ったら、「……これまで担当してきた作家さんの中でイラストラフとか持ってきたの中野さんが初めてですよ……」と若干引き気味に言われたことでしょうか。
ち、違うんです、口べたなんで口頭で説明するより絵で描いて見せた方が早いと思っただけなんです!!
……ああ、そうですよ、どうせ中学生が描いた妄想みたいなド下手な絵でしたよ、桑島さんもあれを渡されてさぞ困惑されたことでしょう、だからもうそんな憐れむような目で僕を見な……ああああ。
【Q4】「ダンジョン」には普段から親しみがあったのでしょうか。それとも、執筆のために調査されたりしたのでしょうか。
ゆ、遊歩さんはご本人がプロのミュージシャンでいらっしゃるから「ユーフォニアムに親しみが〜」が成り立ってますけど、ダンジョンに親しみのある現代人て一体……。なんか改変に無理やり感がががが。あ、でも桐生さんのところに「チートには普段から親しみがあったのでしょうか?」とか書いてあったらおもしろいかも……。
まとめますと「世界樹の迷宮」や「エルミナージュ」などのダンジョンRPGゲームが大好きなので、そこらへんの嗜好に影響されていると思います!!!
【Q5】先生ご自身がモデルとなったキャラクターは、今回の作品に登場されているのでしょうか。
いないです。いたら大変です。お話全体が梅雨よりじめじめじとじとしてしまいます。
【Q6】これから読まれる読者さんに、注目ポイントを一つ教えていただけませんか。
キャラクターの造形にはかなり気を遣いました。なので多分最後まで読み終えたら登場人物の誰か一人は気に入って(好きになって)頂けるんじゃないかなと思うので、ぜひぜひ推しメンを探すような感覚でじっくり読んで頂ければと思います。
【Q7】 そしてここで突然ですが!少しパーソナルなお話をお伺いしたく思います。一番最初に小説を執筆された時のきっかけなどありましたら教えていただきたいです。
直接的なきっかけではないのですが、高校生のときに「寄生獣」と「カイジ」を読んで心が震えるほどの衝撃を受けたので、それが「いつか自分もこういう風に誰かの心を突き動かすようなものを書いてみたい」……という遠因になっている気がします。
【Q8】新人賞への応募歴などを差し支えない範囲で教えて下さい。そして「秋葉原ダンジョン冒険奇譚」はいつ頃に書かれた作品なのでしょうか。
一番最初にライトノベルの新人賞に投稿したのは3年半くらい前になります。「秋葉原ダンジョン冒険奇譚」も雛形はそのころに既に出来ていたのですが、いざ書き始めたらあら不思議、物語の3分の2以上主人公とヒロインが秋葉原の街で鬼ごっこしているだけのお話になってしまい一端お蔵入り……。その2年半後くらいに「……やっぱアレ使えるんじゃね?」と思い立ち、ほぼ全編書き直しして今の形になりました。
【Q9】普段から小説や漫画、アニメ、ゲーム、などに触れられることは多いのでしょうか。もし特にお好きなものがありましたらその作品名と理由も少し教えていただけませんか。
貴志祐介先生と賀東招二先生を深く尊敬しております。少しでも何かを吸収できればと一時期写経などもさせて頂いておりました。
最近ハマっている漫画は「刻刻」「不死身ラヴァーズ」「極黒のブリュンヒルデ」「フリンジマン」「この音とまれ」「描かない漫画家」などなどなどなど。多分共通して、先の読めないおもしろさに惹かれているのだと思います。好きです。
【Q10】小説を執筆するにあたり、ご自身のモチベーションを上げるためにされていることや、気分転換方法などございましたら教えてください。
どんなにやる気が出ないときでも「明後日までに死んでもあと50ページ書かなきゃいけない」というような切羽詰まった状況に追い込まれるとモチベーションって勝手に上がるんだな、と最近気付きました。夏休み最終日の宿題効果と呼んでいます。

多数の質問にお答えいただきありがとうございました!