第11回オーバーラップ文庫大賞受賞作品

フェアリーメイド 傷だらけの妖精職人と壊れかけの人工妖精

彼の使命は、最愛の妖精を壊すこと。

著/澤松那函 イラスト/ふわチーズ

第1巻1月25日発売!

金賞

ストーリー

人々の便利な生活のために生み出された擬似生命「人工妖精」。
彼らは社会に不可欠な存在である一方、
経年劣化によりごく稀に暴走し人を害する危険性もあった。
人工妖精の暴走事故により両親を失った青年リュウジは、
相棒であり初恋の人工妖精ティルトアと共に、
人工妖精を解体し暴走に対処する「壊し屋」として働いている。
日々の依頼をこなしながら、近頃増加している、
寿命を迎えていないはずの人工妖精が突如激しく暴走する原因不明の症状
〝アリシア・シンドローム〟の調査を始めたリュウジとティルトア。
真相に近づくにつれ、二人はやがて過去の因縁と逃れられない使命に向き合うこととなり――?

人々の便利な生活のために生み出された擬似生命「人工妖精」。 彼らは社会に不可欠な存在である一方、経年劣化によりごく稀に暴走し人を害する危険性もあった。 人工妖精の暴走事故により両親を失った青年リュウジは、相棒であり初恋の人工妖精ティルトアと共に、 人工妖精を解体し暴走に対処する「壊し屋」として働いている。 日々の依頼をこなしながら、近頃増加している、 寿命を迎えていないはずの人工妖精が突如激しく暴走する原因不明の症状 〝アリシア・シンドローム〟の調査を始めたリュウジとティルトア。 真相に近づくにつれ、二人はやがて過去の因縁と逃れられない使命に向き合うこととなり――?

キャラクター

  • シシヤマ・リュウジ

    シシヤマ・リュウジ

    妖精職人の青年。最強の壊し屋エリザの弟子で、その名に恥じない実力者。トラウマの影響で皮肉っぽい口をきくが、本質的には心優しく臆病。その性格故、大切なものとの別れを恐れ、そこから目を背ける悪癖がある。そんな自分を嫌いながらも向き合えずにいる。

  • ティルトア

    ティルトア

    人工妖精の少女。世界で初めて作られた人工妖精で、人間と全く見分けがつかない精巧な作り。自他共に認める絶世の美少女で、馬力・敏捷性・器用さなどの各性能も世界最高クラス。リュウジを心の底から愛しているが、嫉妬深い性格で彼を困らせることもある。

  • アリシア

    アリシア

    人工妖精の少女。リュウジが作った最初の人工妖精である。彼女に使われたマナは、以前にも老夫婦に仕える人工妖精であった過去があり、彼らと良好な関係を築いていた。人の役に立つことに喜びを感じ、リュウジにも仕えようとした。それが悲劇を生んでしまう。

  • バーンズ・ポーター

    バーンズ・ポーター

    世界最高峰の妖精職人〝三天人〟の一人であり、巨匠の二つ名を持つ男。幼いリュウジに人工妖精の作り方を教えた。三天人の中でも、容姿の美しい人工妖精を作ることに長けており、特に男性型の人工妖精を作らせたら右に出る者はいないとされる。

  • エリザ・ウィンター

    エリザ・ウィンター

    世界最強の壊し屋と呼ばれる女性。壊し屋としてのリュウジの師匠であり、彼を腕利きの壊し屋として育て上げた。既婚者で娘が一人いるが、夫は海外で単身赴任しており、自身も仕事が多忙すぎて娘に構えないのが悩み。娘からは、約束を守らない人と思われている。

キーワード

  • フェアリーメイド

    2000年前に絶滅した妖精を模して人類が作った人工妖精。妖精の化石を加工して作られた核に、妖精のマナを入れて作られる。高性能なものは、人類を超える身体能力を持つ。稼働年数は平均10~20年前後。

  • 妖精

    2000年前に絶滅したかつての地球の支配者。人間に近い見た目の者もいれば人の身体に昆虫や鳥の羽を持つ亜人や獣人のような見た目の者もいる。マナと呼ばれる魂を持っており、そこから発生するエネルギーで様々な現象を起こす。

  • マナ

    妖精の魂。フェアリーメイドを筆頭にマナを用いる様々な道具〝妖精器〟が作られ、生活必需品となっている。普通の人間の目には見えず、マナを見られる体質は10人に1人程度。特有の匂いを放っており、この匂いは誰でも嗅ぎ取ることが出来る。

  • マナの大流

    地球全体に揺蕩っているマナの集合体。穢れを抱えたマナはマナの大流に帰り、他のマナの少しずつ穢れを引き受けてもらうことで数十年かけて自身を浄化する。

  • 妖精の化石

    各地で発掘される妖精の骨。フェアリーメイドの制作に欠かせないが全身骨格が見つかることは珍しく、一度化石を粉末状に加工してから人工骨格や核を作る。埋蔵量に限りがあるので、解体したフェアリーメイドから回収して再利用される。

  • マナライト

    2000年前に絶滅したかつての地球の支配者。人間に近い見た目の者もいれば人の身体に昆虫や鳥の羽を持つ亜人や獣人のような見た目の者もいる。マナと呼ばれる魂を持っており、そこから発生するエネルギーで様々な現象を起こす。

  • マナを封じ込める花の蕾型のパーツでフェアリーメイドの要。核からマナを解放する際には花びらを調律器で開いて開花させる。核の破壊など強引な手段でマナを解き放つと、その衝撃でマナがダメージを負い、その人格と記憶が破壊される。

  • 穢れ

    マナが過度のストレスを受けたり、殺意を抱くと発生する負のエネルギー。穢れによってフェアリーメイドは妖精化し、暴走する。そのため穢れが発生しやすい状況での運用が想定される軍や警察では、フェアリーメイドは採用されていない。

  • 妖精化

    フェアリーメイドが穢れによって受肉した状態。急速な体組織の変化を伴って暴走状態となる。急速な変化であるが故に、見た目も怪物染みてしまう。完全に妖精化したフェアリーメイドは、公式には確認されていない。

  • アリシア・シンドローム

    フェアリーメイドの核と人工骨格が結晶化し、急速な妖精化を引き起こす症例。最初の症例はリュウジの両親を惨殺したアリシア。彼女の名前を冠してアリシア・シンドロームと呼称されるようになった。

  • アーバス遺跡

    かつて妖精が暮らしていた都市があったとされる広大な森。アーバス遺跡の中央に位置する一際巨大なオークの木は、妖精の神樹と呼ばれており、世界最強の合金ミスリニウムの原料となる神樹の樹液が採取される。

  • 手紙鳥

    世界中で普及している鳥型の妖精器。手紙を体内に内蔵して空を飛んで運ぶ。届ける相手の識別には、特殊な香料を混ぜた蜂蜜〝香料蜜〟を用いる。他と香りが被らないように職人が調合しており、誤送事故が起こることは滅多にない。

  • 対妖精強装弾

    マナライトを炸薬に使った特殊弾で、弾頭はマナライトとローワンを混ぜて結晶化させたMR クリスタルを仕込んだMJHP弾となっている。その破壊力は、自動拳銃用の9ミリ弾で対戦車ライフルに迫る。

  • フルパワー・ミスリニウムカスタム

    リュウジとエリザが使用する対妖精強装弾用自動拳銃。口径9ミリ。装弾数13発+1発。銃全体にミスリニウムが使用されたカスタムモデル。1丁で車1台買える高級品で、リュウジが壊し屋として独り立ちする際にエリザから送られた

  • AFC【Anti Fairy Combat】

    壊し屋が使用する対妖精戦闘術。拳銃とナイフを同時に持ち、距離に応じてガンファイトとナイフファイトを即座に切り替える二刀流での運用が基礎となる。近距離から遠距離まで対応出来るようファースト・セカンド・サードの3つのがある。

  • ケルティギス王国

    ドラゴニア大陸の北西に位置する竜翼半島とその周囲にある数多くの島々を領土とする立憲君主制国家。世界第1位の経済大国であり、フェアリーメイド誕生の地。通貨は、ヴェルを使用しており、1ヴェル=日本円の1円程度の価値がある。

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