フシノカミ 3　～辺境から始める文明再生記～

著／雨川水海　イラスト／大熊まい

失われし航空技術（伝説）を取り戻す！

『古代文明の伝説にあるような便利で豊かな生活』を今世に取り戻すため、領都イツツに留学していたアッシュは、堆肥とトマトの食用化問題に一区切りをつけていた。さらに、人狼との戦いで負った傷も癒え、アッシュは再び都市全体の生活水準向上を目指していた。
その最中、アッシュが所属する軍子会で、鍛冶屋の息子であるヘルメスの手にしたものが馬鹿にされるという問題が発生していた。彼が持っていたのは鉄の塊。どこか歪で不格好で――しかし、精緻な細工物だった。紛れもない航空機の模型。自動車どころか内燃機関すら存在しない今世で、空飛ぶことを夢見る少年と、その夢を嗤う少年。
空に思いを馳せるヘルメスに感銘を受けたアッシュは、彼を嗤う人たちを見返すため、そしてアッシュ自身の夢のためにも航空技術の再生を目指して、行動を開始する――！
理想の暮らしを手にするため、世界に変革をもたらす少年の軌跡を紡いだ文明復旧譚、第三幕！